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サマートン伯爵は冷酷な父に15歳のときに勘当されて以来、30歳になる今日まで、父を見返すことだけを考え、父を越える富を築くために事業に没頭してきた。そんな彼が心を開く相手は、寄宿舎学校の頃からの親友ペンブローク侯爵のほかには数えるほどしかいない。
恋愛や結婚に興味がないサマートンだったが、親友の妻の従妹である公爵令嬢のエマ・キャバーシャムに出会って、なぜか無性に彼女を守りたいという気持ちを抱く。
本好きで福祉に強い関心を持つエマは、ベンサムの初版本を手に入れるため、治安の悪い地区にある古書店に行こうとしていたところ、馬車をサマートンに止められる。サマートンは彼女を心配してのことだったが、エマは憤懣やるかたない。しかし数日後、彼が自分の書斎からもってきたと言って、ほしかった本をくれた。エマは感激して彼にとびつきキスする。
それから二人は会わぬまま3年が過ぎるが、ある事件を調べようとしたエマが頼りにしたのはサマートンだった。
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