取り寄せ不可
◆第二句集
終止符をつけそこなひて法師〓
秋になって鳴き出す法師蝉。ここを先途とピリオドを打つ間もないとは、言い得て妙。
素直で大らかな句の中に、右のような季語の本質をつく句があって、立ち止まらせる。
(帯より・鷹羽狩行)
◆鶴岡加苗抄出十句
縋りつくまなざしのこし流し雛
涅槃変われも図中にある思ひ
祖母の手に負へぬ質問春休み
しぐるるや屋久杉どれも歓喜相
どうしても欲しき一輪お花畑
花野行く空にもあまた雲の花
柩には楽譜に煙草革ジャンパー
綿虫にある一寸の力かな
ひとところくれなゐに反り木の葉舟
余命とは付録の如し冬銀河
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