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アメリカの戦後保守主義の原点といわれる思想家ラッセル・カーク。30歳代半ばで大学を辞め、ミシガン州奥深くの小村に戻って在野の表現者として生涯を終えた彼は、多くの思想家、政治家に影響を与え、「メコスタの賢人」と呼ばれるようになった。保守思想の始祖エドマンド・バークを研究し、バーク思想が英米でどのように継承されていったのか、その軌跡を現代まで描いたのが彼の主著『保守主義の精神』である。
カーク生誕百年にあたる2018年、最後の改訂版となった第7版をもとに日本語版を初刊行する。保守・リベラルの対立構図が崩れ、混沌としてきた現代政治の動きを掴むためにも、本書の存在はきわめて大きい。
下巻に収録するのは原書の7章から13章。各章の表題は「過渡期の保守主義」「想像力のある保守主義」「法と歴史における保守主義」「保守主義の挫折:1865~1918年の米国」「20世紀英国保守主義の漂流」「批判的保守主義」「保守主義者の未来」である。訳者会田弘継(青山学院大学教授)による解説を付す。
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