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仏教東漸(東方から太平洋を渡る)の夢、ここにも明治の世界構想があった。
鈴木大拙、西田幾多郎の師にして、漱石参禅の導師……明治期禅文化の中心にいた高僧の破天荒な足跡を追って。
禅堂から、周囲の抵抗を押し切って慶應義塾の福澤諭吉の懐へ、日本を出奔して小乗仏教の地セイロンへ。そして円覚寺派管長就任後はシカゴ万国宗教会議において日本仏教を代表して大演説をぶつ。
この度外れな情念と行動力は得悟の力なのか、それとも明治のエートスともいうべき精神の磁場から汲まれたものなのか。
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