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知の巨人ポール・ド・マンは何と戦っていたのか……。
親ナチ的だと批判された「ド・マン事件」に迫る!
ド・マンの死から4年後の1987年8月、
欧米を中心とする世界の言論界・思想界に
一種狂乱的な騒動が持ち上がる。
若き日のド・マンがベルギーの大手日刊紙『ル・ソワール』に
寄せた文章「現代文学におけるユダヤ人」
(1941年3月4日掲載) が発見され、
その内容が親ナチ的として厳しく非難・糾弾されたのだ。
批判派と擁護派の大掛かりな論争を引き起こすが、
束の間の乱痴気騒ぎのようなこの出来事は何故生じたのか。
「ド・マン事件」とはいった何だったのか。
ベルギー時代のド・マンが執筆した
フランス語の幾篇かの新聞記事を精査しながら、
この事件の根底に潜む問題を明らかにするとともに、
ジャーナリスト時代のド・マンとその後のド・マンの、
思想的・言語的な接続性および断続性について
思考・考察する!
ドイツ占領下時代に書かれた
ド・マン自身の新聞記事12篇を単行本、初収録!
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