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本書は,主として正則ジーゲル保型形式に関するトピックスで,比較的基礎的と思われる保型形式論の内容の一部を,なるべく予備知識を仮定せずに定義から始めて詳しく解説していく特徴的な書である。
特に,テータ定数やテータ関数,保型的微分作用素,およびその応用として得られる保型形式環の例などについては,比較的詳しくとりあげている。
また,分数ウェイトの保型形式や不定符号2次形式のテータ関数・ゼータ関数といった,既刊書ではあまりとりあげられてこなかった新しい内容も詳しく解説している。
特に本著では,一変数のテータ関数に関する乗法因子の公式における一般のSL(2,Z)の元に対する記述,エータ関数における同様の記述,不定符号2次形式に対してジーゲルの定義したゼータ関数の既知の関数での記述などを盛り込んでいる。
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