繰り巫女あやかし夜噺 かごめかごめのかごのとり

マイナビ出版ファン文庫

繰り巫女あやかし夜噺 かごめかごめのかごのとり

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出版社
マイナビ出版
著者名
日向夏
価格
712円(本体647円+税)
発行年月
2018年5月
判型
文庫
ISBN
9784839963200

かごめかごめ かご籠の中の鳥は いついつ出やる
夜明けの晩に 鶴と亀が滑った
後ろの正面だあれ?

幼子の声が聞こえる。聞こえるけれど見えない、どこにいるかもわからない。天井近くにある小さな窓、そこから響いているが姿は見えない。窓は、つま先立ちになろとうと手に届かない場所にある。
太陽の光が恋しい。でも、外に出るのはおつと勤めの時だけだ。普段はずっとこの薄暗い部屋にしかいられない、誰も外に出してくれない。
「欲しいものはありませんか?」
「食べたいものはございませんか?」
優しく問いかける使用人たちだが、誰もが自分のことを気遣っているようで、そうじゃない。ならば、なぜここから出してくれないのか。

古都の玉繭神社にある機織り小屋で、今日も巫女・絹子は布を織る。田舎の辺鄙な村から出てきた絹子は、社務所に住みながら、大学で非常勤講師として日本文化や機織りを教えている。住処は大家が管理し、シロとクロという若者がいつも美味しい料理を作ってくれ、快適だ。だが、その寮の住人の数も、どんなモノが住まうのかも、絹子は知らない――。そしてまた、新たなる事件が始まった……

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