三つの空白 太宰治の誕生

三つの空白 太宰治の誕生

1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります

出版社
白水社
著者名
鵜飼哲夫
価格
3,300円(本体3,000円+税)
発行年月
2018年5月
判型
A5
ISBN
9784560096284

ぐっと太宰が近づいてくる

 2018年6月13日は太宰治没後70年にあたり、2019年6月19日は生誕110年を迎え、東京・井の頭公園には新たな文学館が開設されるという。
 現在もなお多くの人々に読み継がれる太宰治だが、自分の人生を啄むようにして小説を書いてきたこの作家には、作品を執筆しない三回の空白期間があり、その空白はいずれも「死」や「別離」に彩られていた。本書は数ある先行書籍があまり指摘してこなかったこの「空白期」にスポットを当て、そこから新たな作家像を探ろうという意欲的な試みに満ちた1冊である。
 最初の空白は、昭和2年春、旧制弘前高等学校に進学してからの1年ほどで、翌年5月に「無間奈落」を発表するまで一つも創作を発表していない。
 二度目の空白は、昭和5年4月に東京帝国大学仏文科進学後、「学生群」を7月から11月まで連載した後、昭和8年2月に短編「列車」を発表するまでの2年以上の長い期間である。
 第三の空白は昭和10年鎮痛剤中毒に陥って苦闘生活が続き、井伏鱒二の紹介で石原美知子と結婚するまでの時期。この三つ目の空白を経て、結婚を機に生活を建て直し、「富嶽百景」に始まる明るい佳品が生まれる。
 読売新聞名物記者の筆さばきが、ぐっと太宰を読者に近づけていく。

お気に入りカテゴリ

よく利用するジャンルを設定できます。

≫ 設定

カテゴリ

「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。

page top