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バートランド・ラッセルは言っている。「大哲学者のなかで、スピノザほど気高くて愛すべき人はいない。倫理的にも最高だ。」無神論者として、死後もしばらくはその名を口にするのが憚られていたスピノザ。しかし彼はよみがえった。レッシングやゲーテ、ノヴァーリス、ハイネ。ロマン派の詩人たち、ジョージ・エリオット。そして20世紀には、フロイト、ジョイス、ボルヘス、ドゥルーズ……。
著作のうちでもとりわけ『エチカ』は、読む者を惹きつけてやまない。神=自然を説きながら、人間の自由、真の幸福について、ユークリッド幾何学の形式にしたがってスリリングに論証してゆく『エチカ』。「すべて耀きのあるものは希有であるのに見合って困難でもあるのだ」という結語に向かうこの大古典の新訳登場。
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