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竹は日本人にとって日常生活的に馴染みの深いものである。沖浦氏は本書において単なるタケの民俗誌や文化史の留まることなく、時間軸を縄文・弥生時代にまで遡り、古代、中世から現代に至る竹・竹器の民俗・文化を浮きぼりにする。日本神話における竹の物語の伝承とヤマト朝廷に抵抗し追われた海洋民隼人との関係性の解明において、南島文化に迫り、日本列島の基層の文化を掘り起こしていく。沖浦氏は十数年に亘り竹の文化圏・インドネシアの辺境の先住民の各地を訪ねフィールドワークを行った。インドネシア諸島の神話の影響が強いとされる「かぐや姫」伝承と日本列島の関連を明らかにし、『竹取物語』など竹をめぐるフォークロアを底流にした物語の解読から、竹取の翁は賤民と考え、竹細工の歴史も併せて探る。古代から「櫛」器などは呪物とされていた。にもかかわらず、竹細工職人は古代から現代まで、歴史のオモテ舞台に登場することはなく、被差別民として生き続けてきた。また、箕づくりを生業としたサンカは賤民視されてきた。ここに、沖浦氏は日本の基層を解明するカギがあるとする。本書は日本各地の竹細工職人を訪ね歩き、日本文化の「聖」と「賎」の深層に迫った沖浦氏の名著の復刻版である。
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