1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
「ドン底に落ちた! もがけ、もがけ」――〝生活〟不能の天才意識、死への執着、妻の家出、病気、貧困、ナショナリズム、大逆事件……啄木を〈生きさせた〉ものとは何か。
著者は1946年、敗戦直後の石炭不足解消のために北海道・美流渡炭鉱へ石炭増産隊として派遣され、数年前まで朝鮮人労働者が住んでいた炭住の黒ずんだ壁に、米粒大の字で書かれた啄木の歌を偶然発見する。
「今日もまた胸に痛みあり。死ぬならばふるさとに行きて死なむと思ふ。」
「地図の上朝鮮国に黒々と墨をぬりつゝ秋風を聞く」
戦争中、異国の地での強制労働に苦しむ朝鮮人労働者の心を支えたであろう歌。そのような歌を創りえた石川啄木とは何者だったのか。
ナショナリズムを沸かせた日露戦争、盛り上がる労働運動、朝鮮の植民地化、大逆事件と強権的な社会主義弾圧――国家権力の強大化が進んだ明治後期にあって、人としての理想を求めてもがき続けた啄木の生涯と思想に迫る。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。