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舞台は東京へ――都会で始まる新しい出会い
大学進学を機に上京した真吾は、賄い付き下宿・金沢荘に入居する。下宿先には一人娘で高校三年生のアキがいたが、真吾は高校の先輩で同室の小松原から、アキに気をつけるよう助言される。天性の好色女で、これまでに何人の下宿人と関係したかわからないのだという。案の定、真吾は誘惑されるが、冒険心から誘われるままにアキの部屋を訪ねるようになる。真吾に恋人がいることも承知しているアキは、プライドが高く自分を美化している向きもあったが、多くの東京の女学生にはない、あどけなさや幼稚さを残している少女でもあった。大学の講義への興味を失いはじめていた真吾は、アキに魅力を感じるようになっていく。アキのほうも夢中になり、他の男との関係を断つまでに。だが、金沢荘の古株で粗暴な今重がふたりの仲に疑いを持ったことから、事件が勃発する。一方で、金沢荘の下宿人たちの性生活は様々であった。とにかく一人を好む者、学生の特権を活かして女子大生に声をかけ下宿に連れ帰る者、娼婦にのめり込む者などなど。彼らから聞く体験談は、真吾にとって大層刺激的なものであった。
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