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仮想空間での手術シミュレーションシステム、体内に入って手術する内視鏡型手術ロボットなど
医用画像工学技術の最先端と、その研究開発の過程と成果をひも解く。
人体は複雑な時空間現象に、さらに様々な様態が加わって高次元な現象を呈している。
しかしながらこれらすべての現象を把握するだけの能力は現代の科学技術にはまだない。
このため、断片的、選択的に情報を捉えて(CT、MRI等)診断、治療するしかなかった。
そこで、コンピュータ技術を活用し、人体の高次元現象をできるだけ高い次元から捉えて
病態を探り、高度な治療に結びつけるため、1999年に高次元医用画像工学研究所が
世界に先駆けて慈恵会医科大学に創設された。
研究所では、触覚提示型手術シミュレーションシステム、時空間人体動作計測装置、
ナビゲーション専用手術室、体内侵入型手術ロボット、仮想空間遠隔手術システムなどを
世界で初めて開発し、各科において臨床応用を実現してきた。
本書は、国内外の研究機関に先駆けてこの研究所で行われたこれらの研究過程とその成果を
一冊にまとめた画期的な書。
医用画像の研究者のバイブルであり、またさらに、この領域へ踏み込もうとする
新たな研究者への指標となり、かつ臨床家に新しい治療法を発想させ、
これらが総じて新たな医学を生み出す力になり得る本でもある。
本書では、人体を3次元的、4次元的に捉え、さらに病態の進展、
予後の予測までも行うための研究開発の歴史をしめすとともに、
これらの研究から開発された概念、論理、実用のための手法、成果について分野ごとに説明する。
さらに基本概念を分類し、これらが臨床各科に応用できるようにするためには
どのような道を辿らなければならないかを説明していく。
手術シミュレーション、手術ナビゲーションなどの具体的な臨床応用について、
人体の部位ごとに、どのように活用でき、それによってどのような新しい臨床情報を
得ることができるのかを解説していく。
必要な装置の画像や得られた高次元画像そのものを確認しながら読み進められる内容となっている。
また、各研究テーマごとに、注意すべき問題点、基礎実験の手法、安全性の担保、
臨床応用のための条件などを付加することにより、学会発表、論文では記述しえなかった
多角的な内容を、将来の研究者に伝える。
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