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「世界がぜんたい幸福にならないうちは 個人の幸福はあり得ない」
この言葉は宮沢賢治の『農民芸術概論』の中の一文です。
この言葉で賢治が示したのは、誰かの不幸を前提とするような状態では「幸せな世界」とは言えないということです。自分一人だけが幸せな世界は成り立たない、みんなが幸せを共有する状態こそめざすべき道ではないか、ということです。
しかしながら、現実の世界に身をおいて考えると、自分の幸福と他の人の幸福が矛盾なく両立する状態や、何が幸福で何が不幸かについてなど、そう簡単に答えが出せるものではありません。あらためて冷静に考えてみる必要がありそうです。本書では、世界が抱えるさまざまな問題について、多様な角度から掘り下げて理解を深めます。そして、みなが幸せに生きる世界へ、その道筋を探っていきます。
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