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細分化された考古学に「測定できないもの」を取り戻す野心的な試み。
大胆な議論をぜひ楽しんでもらいたい。
――國分功一郎さん
戦争も、信仰も、アートも、先史時代に始まった――
考古学の成果に依拠した、神話の大胆な読み換えによって、「文明以前」の人類世界を再構築する刺激的試論。
●「旧石器時代後期」のイメージを塗り替える
人間が人間らしくなったのは、「四大文明」や「ギリシャ・ローマ」からだと思っていませんか?
本書が紹介する考古学上の発見によると、旧石器時代後期(前2万年~1.3万年)から新石器時代(前8500年頃~)にかけて、すでに人類は動植物の飼育・栽培をおこない、ギリシャ・ローマに匹敵するような高いレベルの芸術を生み出し、記号を用い、航海し、交易していました。また、彼らの残した数々の宗教的シンボルは、どうやらメソポタミアからパレスチナ、ギリシャ・ローマまで、五千年以上の時をまたいで、遠く接続しているようなのです。
●「アトランティス」は単なるフィクションなのか?
プラトンは『ティマイオス』および『クリティアス』において、前九千年紀、アトランティスとアテナイとのあいだに地中海世界全体を巻き込む大戦争があったことを記しています。その時代にそんな文明がありえたはずがないので、フィクションだろうと考えられてきました。
しかし、先史時代の人びとがすでに我々につながる高い文化を持っていたならば、プラトンの物語を現実の人類史の足跡を保存したものとして真正面から受けとり、古代世界の理解に役立ててもよいのではないか?――これが本書の著者の提案です。
現にラスコーの洞窟画から「最古の都市」チャタル・ヒュユクまで、神話と考古学とのあいだには、さまざまな照応が見つかる、と著者は言います。
事実、「大戦争」の時期に次のことが見つかるのです――
・それまで平和な暮らしを営んできたヨーロッパ、アナトリア、中東、北アフリカの各遺跡で、突如として武器が増えはじめる。
・同時に、人類史上初の暴力による死者の集団埋葬が見つかる。
・さらにエリコ(パレスチナ)に、突如として壁をめぐらせた町と巨大な塔が出現する。
・ラスコー等の動物を描いた壁画に代わって、戦士を記念した壁画が生まれる。
●考古学の常識を覆すチャタル・ヒュユク遺跡(アナトリア地方南部、現在のトルコ共和国)
「大戦争」のあとの前七千年紀、考古学者が「途方もなく豊かで豪華な都市」と呼ぶほどの、驚くべき遺跡が現れました。その遺跡、チャタル・ヒュユクは、たくさんの祠堂(神殿)が、奇妙な壁画、雄牛の骨と漆喰でつくられた造形物、謎めいた古い彫像で飾られていました。それらは退廃と呼べるほどの繁栄をきわめたあと、突如として大火災に遭い、その後は規模が大きく縮小され、シンプルで明解なものに変わりました。
彼らはいったい誰で、彼らに何があったのでしょうか?
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