この本は、一般市民や研究者・実務家に、原発の安全性・危険性を金属の基本から考えてもらうことを目的として執筆された。金属学の常識と考えられる事柄も、良くかみくだいて説明し、誰にでも理解できる表現に心掛けた。そのうえで、原発にはどのような金属材料が使われ、どのような問題を抱えているかを詳述した。疲労・腐食・中性子照射脆化などの劣化事象や耐震強度の問題である。
著者らは、2007年の中越沖地震で柏崎刈羽原発が被災したことや2011年の東日本大震災で福島第一原発が大事故に至ったことに際して、新潟県や経済産業省が設置した委員会での原発の安全性をめぐる議論に参加した。本書では、金属学のエッセンスを記述するとともに、そのような著者らの経験と知見をもとに原発の安全性について問題提起をしている。
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