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著者は,50年以上に及ぶ臨床経験をもつ,わが国に於ける児童精神医学の泰斗である。その臨床姿勢は,現場で子どもの生活をまるごと援助することに一貫しており,わが国最初の精神科思春期外来を開設したことでも知られる。
本書の中心をなす論考「私説 児童精神医学史」は,内外の文献を渉猟し,自らの臨床体験と結びつけることで,改めて歴史を辿るという行為の大切さを説いている。また,自らも阪神・淡路大震災を経験した立場から,子どもと災害について論及した章は説得力に満ちたものである。
「子ども観」は時代とともにさまざまに移ろい,不登校やひきこもり,発達障碍という枠組みも社会変容に沿って新たに捉え直されなければならない。清水は,「〈病気・症状・障害〉に視点を限局させてはならぬ」と繰り返し指摘し,「子どもの暮らしをまるごと視野に入れることが臨床家に求められている」と強調してきた。そのような臨床態度を,著者は〈子ども臨床〉という表現へ集約させてきたのである。
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