コンテンポラリーアート虎の巻
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コンテンポラリーアートは、実にエキサイティングでスリリングで魅力的な領域だ。美術大学生から投資家まで。様々な年齢や階層や人種を超えて、人々のハートを掴み続けている。衰退の気配はない。景気が激変しようが、天変地異が襲ってこようが、アートの動きは止まることはないだろう。意表をついて、インスタントに「素晴らしい」アートが生み出されたりすることもあれば、信じられないほどの高額で売買されたりもする。何が「コンテンポラリーアート」において起こっているのか?
しかし相変わらず、アートの問題は、それを鑑賞したり理解したりできるかという問題だと思われている。天才的な直感やセンスがないとアーティストになれないと思われている。つまり、どんな「価値形態」なのか、どうやって「価値形成」されてできあがるかという問題として、あまりにも捉えられていないのだ。たった今生まれたばかりの「コンテンポラリーアート」は、ある意味で「新商品」「新製品」である。若くて無名な人の新作は、価値が定まらず、あるアーティストたちの作品は、天文学的な高額で売買される。「なぜ?」ではなく「どうすれば?」新製品である生まれたてのコンテンポラリーアートを、高い価値として生成できるのか。そのことを考える時代なのだ。
コンテンポラリーアートは、「今・ここ」のものだが、マルセル・デュシャン以降の約100年をかけて「アートワールド」という「価値のゲーム」「価値の国」をつくりあげてきたことは無視できない。そして、「アートの思考法」というものを生み出してきた。ツボがある。アート作品自体は、「今・ここ」にあるのに、ゲームのルールがわからないと、全くお手上げな「謎のモノ」。でも、勉強しないとアートがわからない、アートワールドに入れないなんて、おかしくないか?
そんな事態に対処すべく、この本は書かれています。最初にお断りしておくと、万全ではない。コンテンポラリーアートは、きわめて流動性が高くて、ウイルスみたいな変容体だ。捕まえた途端、高速で変容するから。もはや「論文形式」なんかでは、捕まえられないだろう。そう思って、「コンテンポラリーアート虎の巻」として、ブログ形式でオンラインにアップして書いた(またアップデートするかもしれない)。
この本は僕流の「アートワールド」のツアーガイド。
さあ、時空の狂った魅惑のアート・イン・ワンダーランドへようこそ!
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