特集:学校における合理的配慮と親の付き添い問題
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障害者差別解消法が施行され、ようやく学校現場でも「合理的配慮」が言われだした。しかし、環境整備や分けた場での個別支援と混同され、本末転倒の合理的排除が横行。当事者、支援員、教員の立場から提言。
医療的ケアの必要な子(痰の吸引や胃瘻、はてはミキサー食まで)には、たとえ看護師が配置されても、特別支援学校であっても、何かあった時のために親の付き添い・学校待機が求めれられる。動き回る子、他の子にちょっかい出す子には、介助員が付きっ切りで囲い込み、他の子どもとの関係性が絶たれる。勉強が遅れているからと、プロ教師なら当然取り組むべき授業方法の工夫や声かけすらせずに、特別支援学級への転籍を迫る……。
本来、共に学ぶために何が社会的障壁になっているのかを考えその障壁解消のために「合理的配慮」が必要なのに、「合理的配慮」がないために、あるいは意図的に間違った解釈で使っているために、かえって通級、特別支援学級・学校という分けられた場へ追いやられるケースが続出。
「合理的配慮」という言葉が現場になかった時代から、共に学ぶ現場で行われてきた配慮や工夫、あるいはこういう「合理的配慮」が必要だったという提言を、人工呼吸器ユーザー、車いすユーザー、知的障害・聴覚障害のある子の立場、教員、支援者としてかかわった立場から発信する。
[著者紹介・編集担当者より]
障害者の日常生活、福祉サービス利用、公共交通機関・建物のアクセス、学校教育、雇用・労働、司法の6分野における具体的な差別事例を検証し、権利条約の視点から、差別解消法の限界と改善点を提言。
混んでるからと車いす、補助犬を伴う人への入店拒否。介助者を伴わない車いすの人への乗車・船、搭乗拒否(合理的配慮の不提供)。医療的ケアが必要な子どもの親に学校での付き添強要(たとえ看護師が配置されていても、何かあったときのため)。校外学習でバスを使う際、車いすの子だけ保護者の車で別移動(リフト付きバスチャーターは高額だから)。教室を動き回る子どもだけ別室で給食指導(周囲の子に迷惑だから)。
合理的配慮を検討することなく、障害のある人を排除、区別、制限する取扱いは、当事者からすれば不当な差別。相手側からすれば、差別する意図はなく、そこまで求めるのは障害者の「わがまま」。一方バニラ・エアでの搭乗拒否事件では、会社側は差別であると認め、改善策を発表するなど、差別はなくせないが、法律があるために差別事例の解決に至ったことも確か。障害に対する差別の認識に関する彼我の差を明らかにし、障害者差別解消法を実効性のあるモノにしていく。
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