取り寄せ不可
「哲学」と聞くと、ああ何か難しそう…と思いますよね。僕も若い頃はそうでした。
高校は日本史選択で西洋の歴史・文化は中学止まり。それにそもそも倫理や倫・政の授業なんてあったっけ? というレベル。
けれど、さすがに先生と呼ばれる職業柄、完全逃避はやめ、なぜ難しいと思うのか? を考えてみたのです。自分なりに答えが2つ出ました。
1「哲学」って何? ということを知らないから。
2各思想の流れというか、転換点を知らないから。
そっか…、そうなんだ。ま、いつか勉強しよっと。
と、そこで思考は停止しました。そして戻る通常運転の日々…。
ああ、当時の自分に教えてやりたい。そこで止まっちゃ、もったいない。
若い頃の僕に、現在の僕が説明したいと思います。
まず1について。「哲学」は「人間とは何か?」を考える学問です。そして「世界とは何か?」を考える学問です。
次に2について。転換点を知らないなら、流れがわかる図をお見せしましょう。この本には思想の一覧表を掲載しています。まずは“鳥の目”で全体を見渡す。
そのさい、絶対に必要な人物や論だけは目立つようにしておきました
(各章のイントロにも書いています)。
ここで気付いてください。あなたは今、やはり「テツガク」しているのです。
たとえばあなたは…、
自由が好き?(功利主義)
平等が好き?(社会主義)
理想主義的?(ドイツ観念論)
現実主義的?(プラグマティズム)
経験を重視する?(経験論)
生まれながらにもっているものを重視する?(合理論)
絶対的真理はあると思う?(ギリシャ三大哲学者)
絶対的真理はないと思う?(ソフィスト)
自分だけの真理があると思う?(実存主義)
理性や真理と関係なく、世界の変化は構造が転換してるだけと思う?(構造主義)
人間や世界は唯一絶対の神が創ったと思う?(ユダヤ教・キリスト教・イスラーム)
混迷を極めているように見える世界でも、古今東西、あることは必ず行われています。人間は正解なんてないことを好き勝手に考えてきたし、今も考えてる。「テツガク」している。
本書を読めば、色んな考えの人と仲良くできるかも、と思えるかもしれませんよ。いや、やっぱり嫌だ、でもいいです。どんな考えの人と距離を取りたいのかも、はっきりしそうですよね。
何にせよ「哲学」に正解はないのでお気楽に。
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