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人間性の開放と現実世界の肯定という明るい光の部分の裏側に、世界の終りに対する恐れ、死の執念、混乱と破壊への衝動、破滅へのひそかな憧れ、非合理的幻想世界への陶酔といった別の一面を持つルネッサンス……。文学作品や思想史上重要な作品を引用しながら、ボッティチェルリの《春》に描かれた美しい女神の影が示唆するところを読み解き、ヴァティカン宮殿の署名の間やメディチ家の礼拝堂といった傑作を輩出したその精神的風土と芸術のからみあいを考察する下巻。版を新たにした多数の挿図とともにルネサンスの明暗を明快に説き明かす名著。
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