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朔太郎賞受賞作の解体--
※萩原朔太郎賞受賞作『アストロノート』は、著者の当初の意向に基づいて本セレクションでは、『青猫以後』『アストロノート』『電波詩集』に3分冊しました。
ガブリエルは死ぬ
その命名の重みによって
君はブラジル丸の甲板から太平洋へ唾を吐け
俺は50ccのゴリラに跨がって国道1号線を東上する
「生きることは楽勝だな」
「ああ、ヤツさえいなければな」
潜伏先の地方都市で静かな家庭生活を得た一人の男
彼を新たな破壊工作へと誘う謎の過激派組織
「ヤツに改造銃を持たせた組合があるらしい」
「ああ、伝説だ」
巨大化したネズミ男たちがまき散らした孤独についての伝説
残酷な運命、理不尽な命令
皆殺しの街から生き残った一人が帰って来た!
(栞=寄稿:阿部嘉昭、著者解題)
当時、どんな詩を書いていたのか。
地方都市での小市民的な暮らしに埋没して行くのが嫌で嫌でたまらない詩人が、
酔っ払いながら自分の家族や仕事をネタに愚痴をこぼしてみたり、
時に殺気立ったりする、というのがだいたいのパターンである。(…)
ヤバい感じだった。
こんな状態を続けていたらいずれ精神か生活が破綻するだろうと思った。
「青猫以後」という長編詩を書いた時、
ここで一度嫌な流れを断ち切りたいと考えた。
そのためには詩集を作るしかない。
第四詩集『青猫以後』。
当時は鎌田哲哉と激しく衝突していたこともあり、
私は「重力」への参加を取り止め、第四詩集の製作にシフトしたいと思った。
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