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交響曲創作という空前絶後の試行錯誤
――あの途方もない形式の根底に潜む理念とは?
――生涯をかけて追い求めた先にあるものとは?
クラシック音楽の中でも独自の小宇宙を形成しているブルックナーの交響曲(《習作交響曲》や《無効》も含む全11曲)を、体系的かつコンパクトに解説。膨大な一次資料と最新の研究成果にもとづき、見事な筆致で交響曲創作の背景と各交響曲の本質に迫る。
「ブルックナーの交響曲の全体構想を成り立たせているのは、主題構成法から形式や楽章の特徴、全体の構成に至るまで、類型と個性との間の不安定な緊張状態である…」(本文より)
本書は小著ながらも、アントン・ブルックナーの巨大な全交響曲を対象としています。…(中略)…私が長年取り組んできたブルックナー研究を凝縮した形で描き出す本書の試みが、この魅力的な作曲家の理解に貢献できることを願ってやみません。(「日本語版に寄せて」より)
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