ホロコーストに関する回想記や研究書は
多数あるなかで、本書は異色の一冊である。
生まれたばかりの乳飲み子を抱えた一人の母親が
「死に神を騙し抜いて生き延びた」話をことあるごとに
娘に語り続けた。
確執と絆の複雑に絡み合う戦後の母娘生活……
本書は著者イレーナの個人史の中で描き出される
母親の言葉を通して描き出された
“記憶に留めるべき悲劇の時代”の証言である。
また、ワルシャワ大学で日本語と日本文化を学び、
オックスフォード大学とシェフィールド大学で
日本語と日本文学を教える教師である著者の、
ある意味では日本人への“歴史認識”についての
メッセージでもある。
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