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かつて中学の校長だった東昇平はある日、
同窓会に辿り着けず、自宅に戻ってきてしまい、
心配した妻に伴われて受診した病院で
認知症だと診断される。
昇平は、迷い込んだ遊園地で出会った幼い姉妹の相手をしたり、
入れ歯を次々となくしたり、
友人の通夜でトンチンカンな受け答えを披露したり。
妻と3人の娘を予測不能なアクシデントに巻き込みながら、
彼の病気は少しずつ進行していく。
そして、家族の人生もまた、少しずつ進んでいく。
認知症の父を支える妻と娘たちが過ごした、
あたたかくも切ない、お別れまでの10年の日々。
中央公論文芸賞、日本医療小説大賞のW受賞作!
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