取り寄せ不可
僕は、友達を作らないと決めている。そんな僕に、誰もいない放課後の教室で、彼女は唐突に話しかけてきた。
「わたしと友達になってよ」
秋山明日菜。眉目秀麗で、中学生で数学オリンピックに出たほどの天才少女。友達は、一人もいない。
秋山さんの中学校の同級生によると、昔はとても社交的な人気者だったのに、突然入院し、復帰すると人を避けるようになっていたらしい。
秋山さんは、黙っている僕に構わず続けて言った。
「わたし、記憶を一ヶ月しか保てないの。一ヶ月周期でリセットされちゃうんだ」
「僕のことを忘れてしまうのに、どうやって友達になるの?」
「大丈夫、君を選んだのにはちゃんと理由があるんだよ。君のことは忘れても君の数字は忘れないから」
秋山さんは僕に半ば無理矢理に「友達になる約束」を取り付け、教室を出ていった。
こうして不本意ながら秋山さんとの交流が始まったのだが、彼女には僕の暗い過去につながる、ある秘密があった―――。心が震える、感動の青春恋愛。
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