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◆第九句集
冬に入る遠山ほのと夕茜
『深見けん二俳句集成』以後の作品三〇五区を収録。
ゆるぎない客観写生
余情いよいよ深まる
第九句集
◆自選十五句より
穴を出し蟻一匹に庭動く
桜の芽遠くにけむりさくらいろ
杖とめてものの芽にとりまかれけり
春惜む展宏さんの葉書手に
牡丹散る忽ち蟻の走り寄り
胸像のはやくも馴染む茂かな
一人よくしやべる三人夏帽子
未だ街にほてりの残り月上る
朝顔の咲く窓開いて顔覗く
又もどり揚羽はばたく彼岸花
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