学部生向けのテキスト。構造や構造決定、酵素反応速度論、生合成といったタンパク質の基礎から最新の遺伝子工学までを詳細に解説。終盤では実際の応用例についても紹介しています。異分野の方の入門書としても最適です。
本書では,最先端の知識や技術を含め,タンパク質工学について体系的に学べます。
第1章ではタンパク質工学の目的および意義について説明しました。
第2章ではタンパク質を構成するアミノ酸の性質やタンパク質の基本的な性質について,第3章ではタンパク質の基本的な取り扱い方法である細胞などからの抽出と精製・分析方法について,第4章では精製タンパク質のさまざまな構造決定方法について学びます。
第5章ではタンパク質の生合成と分解の基礎について学び,第6章ではタンパク質を構成するポリペプチド鎖が,どのように高次構造を形成するのか,そしてどのような機構でそれぞれが機能する場所へと運ばれるのかについて翻訳後修飾を含めて学びます。
第7章では触媒活性をもつタンパク質である酵素について基本的な性質を学び,さらに,第8章ではタンパク質工学の研究手法として重要な遺伝子工学について,第9章ではタンパク質をどのようにさまざまな細胞で発現させるのかについて最新の方法を含めて学びます。
最後に,第2章から第9章までで学んだ知識や技術が,実際にどのように生かされているかを,第10章では酵素を中心に,第11章では機能タンパク質・構造タンパク質を中心に,具体的な研究例をもとに理解します。
タンパク質工学は現代のライフサイエンス,バイオテクノロジーの分野において重要な位置づけにあります。本書は「工学」として一本筋を通し,基礎と最先端の応用がつながるように努めました。学部生の教科書としても,異分野の方の参考書としてもお薦めします。
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