コリアン・シネマ

コリアン・シネマ

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出版社
みすず書房
著者名
イ・ヒャンジン , 武田珂代子
価格
6,600円(本体6,000円+税)
発行年月
2018年2月
判型
B6
ISBN
9784622086642

日本植民統治期に誕生し、解放後の南北分断、朝鮮戦争を経て今日まで制作されてきた北朝鮮・韓国の「コリアン・シネマ」。その製作と受容はいまや一国内に留まらず、在外コリアンによる監督や外国との合作、資本やキャストの海外調達、国際映画祭への出品にみられるように、複合的な地域性と多様性をもつ人びとを巻き込みながら、排他的な意味での「境界」を拒否するトランスナショナルな発展を遂げている。

コリアンにとって、映画は文化的テクストとしてどのような役割を果たしてきたのだろうか? 本書ではジェンダー、イデオロギー、階級の観点から映画における歴史と文化の表象を分析し、コリアンの民族意識と文化的アイデンティティを探る。
第 I 部では、コリアン・シネマの歴史を各時代の政治状況に照らしつつ俯瞰した上で、朝鮮民話「春香伝」翻案映画5作品や歴史映画の代表作『血の海』『南部軍』、労働者階級の日常を描く『初めて行く道』『追われし者の挽歌』等を分析する。そこから浮き彫りになるのは、イデオロギーの上では相反しつつも、文化的同質性を強く確信し重んじる彼らの姿である。
第 II 部では、グローバルシネマとしてのコリアン・シネマに焦点を当て、『下女』や『オールド・ボーイ』、旧日本軍性奴隷制を扱った『ナヌムの家』『鬼郷』といった作品が社会批評や歴史的記憶の継承において果たす役割を考察する。

映画の一場面の詳細な分析から比較文化的考察まで、縦横無尽に論じた刺激的な書。

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