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少年の性の目覚めを描いた巨編が待望の復刊
小学五年の春、母の裸に女を感じた宮崎真吾。すでに性を意識することはあり、女体に対する興味もあったが、母への冒涜と思った真吾はその後も優等生でむじゃきなこどもを装いつづける。
時は戦時中。小学六年の秋に、友だちから自転車旅行に誘われた真吾は、その姉である良子から誘惑的な行為を受け、中学に入った夏には、女学校三年のいとこ千鶴とのエロチックな戯れに興じる。幼なじみでひとつ年上の妙子に恋心を抱きながら、性に目覚めていく真吾。
終戦を迎え、軍関係への道を断たれた中学二年の真吾は妙子に告白、ふたりはようやく恋仲になる。妙子との良好な関係の一方で、不良女学生の文江や遊女のみよ、汽車のなかで出会った女学生の路子など、さまざまな女性たちが、真吾を甘美な世界へと誘っていく。
戦中から戦後へ、時代や価値観が変わっていくなか、不変でありつづける、男と女、愛と性。その狭間で揺れ動きながらも、未知なる世界へ足を踏み入れていく少年の心情を丁寧に描く、青春大河ロマン待望の復活。
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