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大革命が押し流した時間へ
旧体制の末期からフランス革命期に科学者そして政治家として生きたコンドルセは今日、『人間精神進歩史』でその名が知られている。そのイメージは、人間理性の無限の可能性を素朴に信じる楽観的な進歩主義者というものだろう。
本書は、この〈楽観的な進歩主義者〉というコンドルセ像を打ち壊すことに最大の力点が置かれる。その際に注目されるのが、科学・アメリカ革命・旧体制改革という視角である。
フランス数学界の重鎮ダランベールの寵愛を受けたコンドルセは早くからパリ王立科学アカデミーや有名サロンで頭角を現すが、ルイ16世の治世となり、テュルゴが財務総監に就任したことで人生が大きく変わる。テュルゴは王国統治にあたり、自然科学を重視し、コンドルセはじめ科学アカデミーから積極的に人材を登用したのだ。
テュルゴ失脚後、科学の世界に戻った彼だったが、科学アカデミーの終身書記に就任した1776年、新大陸で独立宣言が採択される。これに触発されたフランクリンらとの交流が一度挫折した政治への思いに再び火を点けることになる。18世紀思想史という時間軸に沿うことで大革命が押し流したものを一つひとつ掬い出す試み。
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