昭和短歌史の遺産
歌集『シネマ』で知られる奇才石川信雄、その全貌が集約された著作集。昭和の初期に前川佐美雄の『植物祭』と共にモダニズム短歌の先駆者となる役割が、ここに初めて明らかになる。戦時下の中国にあって、土屋文明の『韮菁集』の結実に寄与する経緯もあった。帰国してからの戦後に、あらためて新芸術派として立ち直り、純粋詩に殉死した功績は、いわば前衛短歌の運動を先取りした営為としても忘れてはならない。これほどフランス文学の魅力を摂取した歌人はいない。本書が上梓されたことによって、昭和短歌史の書き変えが必要になってこよう。・・・篠弘「帯文」より
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