取り寄せ不可
文章と言葉の海で育った青年がカメラに出会った――
国文学者の父と歌人の母を持つぼくは、幼い時から文章の英才教育を受けてきたが見事に落ちこぼれた。一方、妹は詩の新人賞を受賞し一躍脚光を浴びるが、作品には僕の習作を盗作したものもあり、両親も承知していた。
家を出て会社も辞めたある日、聴覚障害を持つ同い年(25歳)の美駒という女性と出会う。彼女は業界で注目され始めているカメラマンだった。ぼくは、彼女と彼女を慕う男女4人の愛好家で作る〝チーム300〟に所属し、生まれて初めてカメラを手にした。メンバーのアドバイスを受けながら、写真を撮ることに魅力を感じるが、家族やメンバー間の友情・確執・嫉妬・愛憎――。
ぼくは様々な人たちと関わり、これまでの選択の許されない人生から自分の道を歩き始める。
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