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経済・軍事・政治文化など過度に拡張した米国の覇権システムは様々な分野で衰退の現象を呈し、縮小再編成またはそれ以上の対応に迫られている。
2008年リーマン・ショック以来、米国経済は深刻な構造的脆弱性を抱えたまま、ただ単に延命しているものの今だ再生はしていない。その結果、現状では米国は他を圧倒する軍事力を有しているが、その軍事覇権は財政力の点から考えると将来にわたって維持できない可能性が高まっている。他方、経済のグローバル化の結果、世界規模で、また各国家社会でも深刻な経済社会的二極化が進行し、その状況に乗じたイスラム・テロリストがリベラル民主制に執拗なテロ攻撃を加えるという形で米国の政治文化覇権に挑戦するようになった。
本書では、これらの米国における経済覇権、軍事覇権、政治文化覇権の三つのサブシステム全般に広がる動揺とその波紋について検証する。
まず第一に、米国の経済覇権サブシステムが金融、貿易、そして開発の側面において、極めて大きな矛盾を抱え、動揺が顕著になっていることを明らかにする。また米国は厳しい財政的制約に直面して、軍事力の限定的な量的削減と質的強化を組み合わせた縮小再編成によって何とか軍事覇権サブシステムの動揺を抑え、軍事的優位性を保とうと模索しているさまを核戦力、通常戦力、軍事同盟の観点から展望する。さらに、リベラル民主制に対するイスラム過激派のテロ攻撃を取り上げ、米国の経済覇権と軍事覇権の二つのサブシステムの動揺が米国の根幹を揺るがす政治文化覇権サブシステムの動揺を惹起させていることなどに論究する。
またトランプ政権誕生により、よりいっそう米国覇権の相対的凋落に直面した日米同盟のゆくえや日本の安全保障などについても考える。
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