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天武天皇崩御後、女性天皇によって護られ、聖武天皇へと継承された天武直系の皇統。皇位継承を実現するために女性太上天皇が担った役割とは何かを説く。即位した聖武を待ち受けていたのは相次ぐ天災、疫病の大流行。国家の危機に苦悩する聖武は仏教に帰依し、平城京は仏都の彩りを濃くしていく。古代社会に仏教がどのように根ざしていったのかを究明するとともに、平城京がいかにして形成され、変遷していったか、その実像を探る。
講談社創業100周年記念企画として刊行され、高い評価を得た全集がついに学術文庫化。第2巻の本書では、飛鳥時代後期から平安時代初期を扱い、聖武天皇を中心に歴代天皇の治世と王都・王宮の変遷を究明する。天武天皇崩御後、持統、元明、元正という女性天皇によって護られ、聖武へと継承された天武直系の皇統。聖武皇女は史上初の女性皇太子となり孝謙として即位。直系皇位継承における女性天皇の役割とは何かを説き、王権の転成をたどる。また、藤原京、平城京、平安京など、変遷する王都がどのように建設されたかを詳述、その実像を探る。本書の中心となる平城京は、八代七人の天皇が統治した「王都」であるとともに、国家安穏をもたらす仏教思想の根拠地「仏都」でもあった。古代社会に仏教がどのように根ざしていったのか。聖武天皇による仏教宣揚と東大寺大仏開眼へと続く苦難の道をたどるとともに、民間布教に心血を注いだ仏教者たちの活動を描き出す。さらに、平安遷都後、平城京跡はどう管理され、利用されたのか。平城の地に立つ寺院はその後どのように法灯を保ったのか。奈良の都の原像を探る。〔原本:『天皇の歴史02巻 聖武天皇と仏都平城京』講談社 2011年刊〕
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