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戦国時代後期、九州を三分したのが豊後の大友氏と薩摩の島津氏、そして肥前の龍造寺氏である。
その龍造寺氏の最盛期を現出したのが隆信である。家臣の謀反、筑後への退去、少弐氏や神代氏など周辺勢力との抗争、大友氏の侵攻などをくぐり抜けて九州西北部に地歩を固め、「五州二島の太守」と称されるようになった。
本書は、『龍造寺記』『普聞集』『藤龍家譜』など龍造寺氏に関わる基本資料に加えて、『九州治乱記』『歴代鎮西志』『肥陽軍記』といった江戸時代に成立した軍記物も参照して、戦国を駆け、死闘に明け暮れた武将龍造寺隆信の生涯を記述した評伝である。
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