取り寄せ不可
2年前、レオニーはヴィダルのプロポーズを断った。
ヴィダル・パレッラ・ドス・サントス――貴族の末裔で、
多くの女性と浮き名を流す色男、ポルトガルの大物実業家だ。
彼は、会ったその日に体を求めてきた。レオニーが拒絶すると、
今度は妻になってほしいと甘い言葉を囁いた、不埒な男だ。
だが状況は一変した。父親がヴィダルの会社の金を横領したのだ。
レオニーは父の罪を償うため、我が身を差しだす覚悟で、
ヴィダルに面会を申しこんだ。彼が求めるものは2年前と同じ、
相も変わらぬ、レオニーの奉仕だと知りながら。
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