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「我々はすぐに弱気になるのと同様にすぐに調子に乗ってしまう」(ビスマルク)
21世紀の現在、ドイツは産業、政治・外交、経済、サッカーと多方面で大きな存在感を示している。その強さの源泉は「ドイツ的システム」にある。そして、このシステムには同時に弱さも潜んでいる。
第一次世界大戦におけるドイツ軍を通して問う、ドイツとは何か。
1918年、世界最強と目されていたドイツ軍は大攻勢をしかけて敵の塹壕線を突破、大成功を収める。しかし半年後には敵に休戦を乞わざるを得ない状況に陥っていた。
ドイツ指導者層、ドイツ軍の内部で、いったい何が起こっていたのか。
◆目次◆
◎まえがき◎
容赦のないドイツ/新たな静かなドイツ脅威論/第一次世界大戦との類似 など
◎序章 十九世紀ドイツ統一に見る指導者のトライアングル◎
リーダーシップによるトライアングル/ヴィルヘルム二世時代の到来 など
◎第一章 一九一四年から一九一六年夏まで――戦況とドイツの戦略◎
開戦後の参謀総長と最高司令部/モルトケの失敗/リーダーシップの危機 など
◎第二章 一九一六年夏から――ルーデンドルフ時代の始まり◎
カイザーとルーデンドルフ/西部戦線の再構築/ジークフリート線とニヴェル攻勢 など
◎第三章 ドイツ軍「春季大攻勢」の準備◎
崩れ去った伝統的な指導者トライアングル/Uボート戦の失敗とアメリカ軍/成功の三条件と訓練 など
◎第四章 一九一八年春季大攻勢――「大成功」が準備した敗北◎
カイザー側近の追い落とし/失敗の原因――指揮の統一性の欠如/悪化する兵士のムード など
◎第五章 限界に達していたドイツ軍――夏の連合国の攻勢から休戦まで◎
ドイツ軍の変質/兵士の燃え尽きとシャーキング など
◎終章 ドイツの敗因◎
敵を増やす愚策/「成功」が生んだ内部崩壊 など
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