取り寄せ不可
グレン・グールドがこの世を去ってから四半世紀以上、バッハの《ゴルトベルク変奏曲》を最初に録音してから半世紀以上が過ぎた。にもかかわらず、スピーカーからグールドの弾くピアノの音が流れ出すときわれわれの心は連れ出されてしまう。
いったい、この不世出のピアニスト=音楽家は、どのようにものを考え、演奏と表現を実践して、こんな独異な音楽を生み出したのだろう。本書にその答がある。
これまで刊行した『グレン・グールド著作集』『グレン・グールド書簡集』につづいて、本書に収められたのは、入手困難なインタヴュー、テレビ・ラジオ番組のための台本、未完・未定稿のまま残されたテキストなど、46編にのぼる。
バッハ、ベートーヴェン、ブルックナーなどの作曲家論、リヒテル、ワイセンベルク、ビル・エヴァンズなどのピアニスト論から、「創造プロセスにおける贋造と模倣の問題」「電子時代の音楽論」や、マクルーハンとの対話「メディアとメッセージ」まで、どこを読んでも、グールドの面目躍如、その魅力は比類がない。
日本におけるグールド研究の第一人者による、この日本語版は、遺稿「私にとって録音プロセスとは何を意味するか」を独自に加え、文献目録・註を増補、さらに貴重な写真資料も入った決定版である。
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