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産業とは、ものやサービスを生産するための活動であり、ものづくり・ひとづくり・まちづくりにまたがる活動といえる。生産活動の多くを担うのが企業組織であり、ひとづくり・まちづくりと深く関わるのが社会組織や地域組織である。これら3者が、相互の強みや特徴を学び合い生かし合う三位一体的な関係へ、どう転換していくかが問われている。
産業は、これまで機能的・技術的価値(実用性・利便性)に重きが置かれてきた。一方、人々が職場や生活の場で織りなす働き方や生き方、培われた熟練・独創・技巧などの技や文化など、体得した無形のもの、いわば産業の文化的側面そして文化的価値(芸術性、信頼性)の比重が急速に高まってきている。この両者を包括することにより、現実に根ざした奥深く多様な現代産業の実像を捉えることができる。
本書は、ものづくり産業を軸に、企業・社会・地域にまたがる複眼的視点から、持続可能な等身大の循環型産業・地域づくりという、21世紀の課題に応える現代産業論を提示する。
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