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病院から地域へ!
ACT-Kの誕生から10年以上の歳月が過ぎた。24時間365日、重度の精神障害をもった人たちに寄り添い共に生きる地域包括ケアの実践は、この国の精神医療・福祉のひとつのささやかな到達点であった。しかし、10年の間に生じたこの国の変化は、この小さな試みにも大きな危機をもたらす。その壁を打ち破り、地域に根付いた新たな実践をめざす再挑戦の記録。
――ACT-Kの設立からまるまる13年となり、旧版の発行から10年が経とうとしています。その間、悲しいことに、精神病院を中心とするわが国の精神医療体制はほとんど変わっていません。それにもかかわらず、私たちが作ったACT-Kは、おそらく組織というものがもつ宿命でしょう、内には少なからぬ澱がたまり、それが外からの環境変化の圧力とあいまって、組織を大きく改編せざるを得ませんでした。この数年間、そのことで侃々諤々の議論を繰り返し、多くの時間と労力を費やし、ようやく新しい光が見え始めたところです。[増補新版あとがきより]
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