スポーツをテクノロジーする

スポーツをテクノロジーする

取り寄せ不可

出版社
日経BP
著者名
北岡哲子
価格
1,980円(本体1,800円+税)
発行年月
2017年11月
判型
A5
ISBN
9784822258771

1964年東京五輪では、旧国立競技場は新記録が出やすいと評判になりました。そのトラックを生み出した技術者の願いは「100m走で10秒を切る、という人類未到の大記録」でした。スポーツにおいて好記録・好プレーを目指すのは、アスリートやコーチばかりではありません。本書は、人類を早く泳がせ、走らせ、最高のパフォーマンスをさせようと努力しているスポーツ用具と設備の技術開発にスポットライトを当て、その面白さと意義を豊富な取材によって解説します。

水泳においても、競泳水着の進歩が記録向上に不可欠でした。バルセロナ五輪女子200m平泳ぎで優勝した岩崎恭子選手の記録は、その56年前の1936年ベルリン五輪の前畑秀子選手に比べて、40秒近くも向上していました。高速化した要因にはもちろん、先進的な泳法、練習メソッド、メンタルトレーニング法、コーチング術、栄養管理などの進化がありますが、本書でスポットを当てるのは水着の進化です。

ただしその進化は、スポーツの精神との軋轢を生むこともあります。北京五輪の直前に北島康介選手が「泳ぐのは僕だ」と書かれたTシャツでアピールしたように、選手よりも水着が主役になりかけた時期もありました。著者はこのような問題も独特の感性で捉え、スポーツにおける技術の意味を浮き彫りにしていきます。

このような、スポーツ用具や設備の開発にあたる技術者たちは格別有名でも、天才でもなく、ものづくりの運命を偶然与えられた人たちに過ぎませんが、理想を目指して努力を重ねる魂は、日本のものづくりの実力や、テクノロジーの強さとも深く通じるものがあります。テクノロジーの進歩を避けては、スポーツにおけるアスリートのパフォーマンス向上は語れないことを知らせてくれるのが本書です。

「本書を読まずしてスポーツは語れない」
元文部科学大臣・衆議院議員 馳 浩氏 推薦

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