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ストライキによる荷主からの信頼喪失、モータリゼーションの進展などが要因となり、経営危機にあった国鉄にあって、毎年数千億円の巨額赤字を累積した鉄道貨物事業。国鉄改革・民営化の波の中にあって、貨物事業をどうしていくのかは、大きな議論の的となった。
国鉄時代から鉄道貨物事業に携わり、JR貨物となってからも社長、会長として経営の責任を担った著者が、国鉄改革議論から現在に至るまでの鉄道貨物事業の道程を、当事者ならではのエピソードもふんだんに交えながら明かす。ストライキや職場のモラル低下などで信頼を絶望的なまでに失い、トラック運送の興隆ほか外部環境の変化にも翻弄されてきた鉄道貨物が復活するまでのプロセスが詳細に語られる。
これまで国鉄改革や、民営化については旅客をテーマに多くの書籍が刊行されてきたものの、一方、日本の産業の生命線ともいえる貨物事業については、あまり多くが語られてこなかった。操車場の撤廃、直行路線の開発、さらには従業員の意識改革など、信頼回復、サービス力向上に励み、鉄道貨物事業が復活していく物語は、鉄道ファンのみならず、読む者の胸を打つ。
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