1~2日で出荷、新刊の場合、発売日以降のお届けになります
フッ素化合物,特に炭素・フッ素結合を持つ有機フッ素化合物はさまざまな産業に使われており,我々の生活にも必要不可欠な存在である。しかしながらその存在は一般人にはもちろん,化学系学科の大学生にもあまり知られていない。家庭にあってすぐ目につく製品は限られているものの,フッ素化合物はパソコン,スマートフォン,自動車,エアコン,燃料電池,光ファイバー,医薬品等,あらゆるところで使われている。
フッ素化合物は耐熱性や耐薬品性に優れていることが大きな利点であるが,その裏返しで廃棄物や排水の分解処理は厄介である。分解・無害化は大変やりがいのある研究分野で,環境保全の世界では大きな位置を占めている。ところが大学の化学系学科の授業ではあまり出てこないためか,化学出身者でそういう仕事に従事している人は少ない。分解も化学反応なのでこのような分野こそ化学出身者の活躍が期待できる。
本書では,フッ素化合物の分解と環境化学的な挙動について,全くの初心者でもわかるようにまとめられている。第1章では水中の有機化合物を分解・無害化するさまざまな方法について紹介されている。第2章ではそれらを踏まえて,フッ素化合物の種類別の分解方法が解説されている。第3章ではフッ素化合物の地球規模での振る舞いについて,昔から知られているクロロフルオロカーボン類や,近年になって生態系への影響が懸念されているPFOSやPFOAと呼ばれる化合物を中心に取り上げている。
よく利用するジャンルを設定できます。
「+」ボタンからジャンル(検索条件)を絞って検索してください。
表示の並び替えができます。