取り寄せ不可
目を開けたくない。いまはまだ――そこにあの人がいるから。
誰もが羨む、ハンサムで献身的な理想の夫アレハンドロ。
でも病室に横たわる、記憶喪失の私には見知らぬ、怖い人。
若くして多国籍企業の頂点に君臨し、社交界でも際立つ存在、
スペイン系の大富豪が夫だと言われても、何も覚えていない。
なぜかしら? 出会ってわずか1カ月で熱烈な恋愛結婚をし、
2カ月の赤ちゃんまでお腹にいるというのに何も感じない。
それどころか、瞳の奥にくすぶる夫の情欲の炎が私をおびやかす。
今朝も彼は甘く囁き、私は目を開けた。「エリーズ。愛している」
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