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最初の10年ぐらい、私も講義形式で教えていました。次の10年はワークショップ形式でした。その最後の頃、講義形式に抱いた疑問と同じような感覚を、ワークショップ形式で行う研修のあり方にも持ちはじめました。
学ぶ側はもちろん、教える側も学び続けられるという、みんなが自立した学び手になる教え方・学び方はないのかと模索しはじめたのは1995年以降でした。5年以上かけて探しだしたものの一つが、本書で紹介している「責任の移行モデル」です。
本書の柱になっている、教師から学習者への責任の移行は、①教師が焦点を絞った講義をしたり、見本を示したりする(焦点を絞った指導)、②教師がサポートしながら生徒たちが練習する(教師がガイドする指導)、③生徒たちが協力しながら問題解決や話し合いをする(協働学習)、④生徒は個別に自分が分かっていることやできることを示す(個別学習)、といった四つの段階で表すことができます。
注意していただきたいのは、これらは①から④へと順番に行うものでも、常にクラス全員を対象に、同じ段階の活動をさせるのでもないということです。たとえば、②番目の「教師がガイドする指導」をするためには、「①焦点を絞った指導」が終わっていることが前提となりますが、同時にまた、クラスの大半の生徒が「③協働学習」か「④個別学習」に取り組んでいることも前提となります。そうでないと、教師は少人数(2~6人)の生徒たちを集めて、10~15分の「教師がガイドする指導」を行うことはできませんから。
本書ではこれら四つの要素を、異なる教科の例をふんだんに挙げながら分かりやすく解説しています。教師を含めた大人たちが、この四つの要素を身につけることができれば、授業や研修のあり方が変わるので、生徒や受講者の学びの「質」と「量」が飛躍的に伸びることは間違いありません。(よしだ・しんいちろう)
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