北山修が精神科医としての研修のため英国に渡り、精神分析と出会った折に診た二人の患者の治療記録。
北山の人間理解の基底にあるヴィジョン「心の二重構造」「言葉の多義性」の原点にある二症例である。
初めての精神分析を母国語と外国語のはざまでおこなったこの稀有な経験が、どれほど北山の精神分析的思考に影響を与えてきたか、読者は想像の翼を羽ばたかせながら読むことになるだろう。
独自の視点で展開されてきた理論(「見るなの禁止」「錯覚と脱錯覚」「劇化」etc。)と同時に、古典的な性欲動理論や「エディプス・コンプレックス」への具体的理解が深まる刺激的な書である。
臨床心理士による解説、北山自身による「症例論文」と英国の精神分析的精神療法の紹介論説を付す。
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