揚雲雀

揚雲雀

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出版社
ふらんす堂
著者名
高橋裕子(俳句)
価格
2,970円(本体2,700円+税)
発行年月
2017年10月
判型
四六判
ISBN
9784781409962

◆第一句集

箱庭に加へて富士の名ひとつ



富士山で拾って来た石か。その小石を富士に見立てて、箱庭に加えたのだろう。

いずれも物を見る角度が個性的で発見があり、俳句は詩であることが示されている。

(帯より・鷹羽狩行)



◆梅田ひろし抄出

梅探る古墳の奥にまた古墳

声で身を奮ひ立たせて揚雲雀

藤房を揺らして重くなりし風

咲き盛るものを閉ぢ込め花氷

覇者敗者汗の手しかと握りあふ

緑蔭に展げ新居の設計図

いわし雲母なき里の遠くなり

落日を背負ひて帰る花野かな

歪むもの一本もなし崖氷柱

太梁のやうな一の字筆始

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