次世代に残す歴史の証言──政治、医療、家族、信仰、人生
韓石泉(かん・せきせん 1897-1963)は1920~60年代に台湾の政壇と医学界で活躍した知識人。
日本の台湾領有から二年後の台南に生まれ、漢学と日本教育をともに受けて育つ。
医学を志し、台湾総督府医学校を経て、熊本医科大学で博士号を取得。台南で韓内科医院を開業。
日本統治期には政治社会運動に参加し治警事件で逮捕(判決は無罪)、戦後は第一期台湾省参議員として二・二八事件の台南における平和的解決に尽力するなど、台湾近現代史の主要事件の渦中に身を置いた。
本書は、韓氏の自叙伝『六十回憶』初版(1956年)に、韓良俊が詳細な注釈を施した第三版(2009年)を編集・訳出したもの。
開明的な考えをもって行動した著者により、政治的に敏感な時代に克明に書き残された回想録は、貴重な歴史の証言である。
この回想録は、稀にみる台湾の戦後初期の自伝で、先生がご自身と向き合いながら身を立てていく記録であるだけでなく、六十年間の重要な史料でもあります。 ────胡適
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