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場の量子論は,素粒子物理や物性物理に現れる諸現象を精密に記述できる理論体系であり,現代物理において不可欠な役割を担う.本書初版は,学部3・4年次から大学院修士課程レベルの読者に,この重要な体系の基本構成をしっかり理解させるという目的で執筆されたもので,量子力学の相対論化,量子化された場と生成消滅演算子の基本的性質や密接する基礎概念・基礎事項という絞り込まれた項目に対し,詳しく丁寧な説明が与えられていた.
この基本方針は,今回の改訂でも全く変わらない.その上で「より明確に・より理解しやすく」という観点から全体に亙る再点検が施され,初学者への一層の助けとなるよう,新たに幾つかの解説項目も加えられた.これにより,本書は,相対論的場の量子論を学び始めた読者にとって初版を超える貴重な指導書となるものと期待される.
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